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地方銀行員が東京のベンチャーで働いたら

新卒で地方銀行員になった少年が、1年半後東京のベンチャー企業で働くお話

製造業の哲学?〜「日本のもの造り哲学」〜

出会い
大学3回生の頃
自動車産業の専門のゼミの教授から裏ゼミ(ゼミの一部メンバーの勉強会)で輪読本に指定されました。

 

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当時の感想
正直、当時は製造業に興味もなく…意味が分かりませんでした。
強い現場と弱い本社の話を理解し、一貫性のあるクロスファンクショナルの重要性を感じたことくらい。

 

そんな一冊を製造業コンサルタントになって2ヶ月の男が
読んでみました。

著者:東京大学 ものづくり経営研究センター センター長藤本隆宏先生

merc.e.u-tokyo.ac.jp

 

主題

製造業におけるアーキテクチャ(製品の設計思想)の重要性

設計思想ってなんなんだ。と思いますよね?
哲学チックだなーって、思いますよね?
いや、そもそも題名にも哲学と出てるではないですか!

製造業を哲学的に??
ご説明いたします。

アーキテクチャ
大きく2つあります。
モジュラー:組み合わせ型
インテグラル:すり合わせ型

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具体例
◯自動車
車種ごとににそれぞれの部品を組み合わせて、全体最適化を図り、パフォーマンスを向上させています。

◯自転車
それぞれのオープン化された部品を組み合わせて、製造されているのでは無いでしょうか?あるいは、フレームを軽くすることだけで、パフォーマンスを担保しているケースが多いのではないでしょうか。
パソコンにインテルが必須のように、シマノのようなギア部分でシェアの高い企業があります。
これは、部品の組み合わせ型である証です。


もう少し、アーキテクチャについて説明してみましょう。
面白いなと思ったのは、お酒のアーキテクチャ

・仕込みモノ(インテグラル型)

  ‥ビール、ウイスキー、日本酒

・混ぜモノ(モジュラー型)

  ‥カクテル系、清涼飲料水
これってすごくわかり易くないですか?
同じお酒ですが、作り方、設計思想が全く異なりますよね?

この視点で、製造業を切り分けることの重要性を藤本氏は、訴えています。

 

そして、面白いことに国によって得意な領域が違うのです。
まさに日本はインテグラルが得意な国です。

これは、民族の風習にも由来しているとの説もありますが、

戦後日本の経済急拡大には、【長期安定取引】【少数者間の能力構築競争】【まとめて任せる】が必要であり、トヨタを始めとする外部に設計まで任せ、サプライヤー文化を確立したことが大きな影響を与えています。

ここからインテグラル文化が醸成されたものだとされています。

 

つまり…
日本の自動車産業が強いのは、必然だったということです。
一時期、半導体も小型化されるに従い、インテグラル型に移行し、日本のシェアが拡大されたのも、ある程度必然でした。


もう一つ収益性という部分で考察できることがあります。

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今読んでいる「プロフィット・ピラミッド」で紹介されている企業は、以下の企業ばかりです。
【中インテグラル・外モジュラー】
【中モジュラー・外インテグラル】

ここの要因は、「プロフィット・ピラミッド」でお話したいと思います。

 

www.diamond.co.jp



最後に

私がサーキュレーションサービスをいいなと思いついたきっかけがこの「日本のもの造り哲学」であったかもしれない部分がありました。

最終章で、藤本氏はこんな事を書いていました。

日本の企業すべてが擦り合わせにに集中すべきであると言いたいのではありません。

日本に必要なのは、「儲かるモジュラー・ビジネス」を創造する能力を持った人や組織が必要なのではないでしょうか。
 そこでイメージされるのは、擦り合わせベッタリの業界をうまく切り分けて、もっと機動性のあるビジネスモジュールを生み出し、必要に応じて、それらをつなぎ合わせ、組み換え、儲かるビジネスモデルを創造すること。

 

戦略の大局観と現場の詳細知識の両方を兼ね備えた人材が不足し、そのために本社と現場のコミュニケーションが不足したり、あるいは知識共有が不足しているような気がします。

 

まさにサーキュレーションの製造業コンサルタント
補うべき日本の製造業の課題であり、

そして、我々の挑戦する「職能のモジュール化ビジネス」を
最後の最後の東大の教授に背中を押して頂けたように感じました。

 

www.nikkeibookvideo.com