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地方銀行員が東京のベンチャーで働いたら

新卒で地方銀行員になった少年が、1年半後東京のベンチャー企業で働くお話

時代は変化している。正常も変化している。

村田沙耶香さんの「消滅世界」に出てくるセリフ!

消滅世界の描く世界は、

現代とは、異なる家族、パートナー、セックスの概念が成立している世界。

男が子供を人工授精で出産していまう時代。

 

愛するはずのパートナーとの性行為を近親相姦と差別される世界。

交尾(性行為)によって、子供を産むことは、汚れであると認識される。

 

家族(奥さん、旦那さん)とは別に、

恋人を持つ世界。

 

恋人が二次元である人もいる世界。

 

現代の常識が非常識な世界。

この小説で描かれる世界を

受け止めるのは、とても体力を必要としました。

 

正直、疲れました。

 

それは、きっと自分の当たり前を否定して、

受け入れる世界だったからじゃないのかなと考えています。

 

 

言い換えると、自己否定を気づかぬうちにしなくちゃならなかった。

 

自己否定ほど、しんどいことはないですよね。

でも、ニーチェ先生も言っていました。

 

脱皮できない蛇は滅びる。
その意見をとりかえていくことを妨げられた精神も同様だ。
                ニーチェ(哲学者)

 

自己否定できない人間は、さらにしんどいことを

経験しなきゃならないのかもしれません。

 

話が脱線しましたね。

 

消滅世界は、人類が滅びないことが人類の生きる理由である世界で

究極的に役割分担された世界。

個人が生きる意味を失った世界。

 

きっと少し前の時代は、

生まれた国のために生きることが生きる意味だった。

 

でも、戦争が終わり(平和を享受している日本人にとって)

生きる意味は、個人に委ねられている現代人にとって

究極の探求であり、

答えのない旅。

 

そして、答えがないことに気づいた人類が

最終的に行き着く世界が

消滅世界。

 

ありえない世界観と思っているけど、

人間がもっとも気楽に生きていける世界なのかもしれない。

 

意外と現実味を帯びていて、

恐怖を感じた作品でした。

 

そして、自分は染まりたくないと思いながら、

気づかぬうちに染まっている。

けど、染まっていないと思い込み、

そんな自分を正常であると人に誇示する。

裸の王様にならないようにと気づかされた作品。

 

しんどい思いをしながら、たくさんの人に読んで欲しい作品です。